ジャパンカップ 2009年

第29回 ジャパンカップ 2009年

2009年のジャパンカップで、単勝1番人気に支持されたのはウオッカだった。この年の春はヴィクトリアマイル、安田記念を連勝。しかし、この秋は毎日王冠2着、天皇賞(秋)3着とあと一歩のレースが続いていた。更に主戦騎手の武豊がリーチザクラウンに騎乗するため、クリストフ・ルメールに乗り替わることに。単勝オッズ3.6倍という、微妙な評価での1番人気だった。

前年2008年の菊花賞馬、オウケンブルースリが2番人気。2走前には京都大賞典を優勝し、前走の天皇賞(秋)は4着だった。天皇賞(秋)の2000メートルよりも、ジャパンカップの2400メートルの方が、この馬には適した条件であると言える。

外国勢では、イギリスのコンデュイットが3番人気に支持された。前走はアメリカのブリーダーズカップターフを優勝。7月にはイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを優勝している。世界各国で実績を挙げている馬である。

スタートしてから1コーナーまでは、アサクサキングス、リーチザクラウン、エイシンデピュティの3頭による先行争い。1000メートル通過が59秒0とやや速くなったのは、この先行争いが原因かもしれない。ウオッカはその先行争いの直後でレースを進めた。

4コーナーから直線へ。その直線の半ばでウオッカが先行争いを繰り広げていた3頭を交わして先頭に立つ。やはりウオッカが強いのか?しかし外から猛然と追い込む1頭がいた。オウケンブルースリであった。脚色が上回っているのは明らかにオウケンブルースリの方。ゴールは2頭が全く並ぶ形となった。写真判定となる。

写真判定の結果、軍配が上がったのはウオッカの方だった。その差は僅かにハナ。レース後、ピンチヒッターでウオッカの手綱を取ったクリストフ・ルメールの顔は、喜びよりも「ホッとした」という様子。日本で何度も騎乗経験のあるルメールは、この馬の強さも、ファンの多さも良く知っている。大役を引き受けた自覚もあったに違いない。やるべき仕事をしっかりと果たした。そんな想いだったのかもしれない。

これでウオッカは東京競馬場では6勝目。この中には牝馬としては歴史的快挙となった、2007年の日本ダービーも含まれる。東京競馬場がピッタリな、東京競馬場でこそ輝いた名牝だった。


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